2015/03/05

コンパクトミシンのパイオニアにして最高レベル 購入ミシンNo,24 Elna Lotus Tsp

デザインもよく、機能的にも優れたところのあるミシンを買う(集める??)ようになり、いつごろからかどんなものなのか無性に気になるミシンがありました。

そのメーカーは今ではジャノメに買い取られ、ブランド名としては残っていますが、私が欲しいものはメーカーオリジナルで製造されたもの、60〜80年代くらいまではその本国であるスイスで製造されていたようですが、今はもうブランド名だけが残っているので、スイスで製造されることはありません。

ベルニナがスイスでドイツ語圏のステックボーンという町にいまだ健在なのに対し、Elnaはフランス語圏のジュネーブの会社でした。

欲しかったミシンElna Lotus はニューヨーク近代美術館のコレクションにもなっています。
http://www.moma.org/collection/object.php?object_id=4067

レイモンド・ローウィーというフランス出身のインダストリアルデザイナーの方(事務所)のデザインによるもので、とても考えられた、無駄をそぎ落とした形になっています。
レイモンド・ローウィーはフランス人ですが、主にアメリカで活躍したデザイナーです。工業化社会からプロダクトの商業化、マーケティング主導の大量消費社会へと移りゆく時代にその手腕を発揮し、今でも同じデザインで販売されている永続的な商業デザインをしたこの分野の巨匠のひとりともいえます。
アメリカのたばこ・ラッキーストライクのパッケージや、鉄道や車、飛行機のデザインなど幅広い分野のデザインをされています。
日本の製品でいうと、たばこのピースの箱が彼のデザインです。発売当時からほぼ変わらないパッケージで販売されています。不二家のルックチョコレートのパッケージも彼のチームのデザインです。

カバーとなっているパネルを開くと、蓮の花のように見えるので、LOTUS(蓮)という名前になったようです。

カバーを開くと、それがソーイング・エクステンションテーブルになるように設計されています。
この形は70年代日本で大ヒットしたリッカー・マイティにも採用されています。(まあ、パクったということでしょうか)
マイティは電子のお針箱という名前がついていたミシンで、LOTUSと同じように開いてそれがテーブルになり、それを閉じてしまえばそのまま箱のようになり、保存しておけるということで、当時の
ミシンと比べても画期的だったようですが、デザインのアイデアとしてはLOTUSから得たとみてまちがいはないでしょう。
ただし、ロータスに比べて形がやや野暮ったく、パネルも厚め。軽やかさがありまえん。
ロータスがパタパタと蓮の花びらが開くというイメージに対して、マイティはバタバタと開きそうな感じに見えるのです。
リッカー・マイティは見た感じは嫌いではないのですが、やはりなんでもオリジナルにはどこかしら叶わないものなんでしょうね。
似て非なるもの。

興味がないわけではないので、いつかマイティも手に入れようとするのかもしれないという危機感が自分の中にはあります。ただ、マイティは経年による内部の破損が発生することがほとんどで、今でもまともに動くものがほぼないと思われれるミシンなので、よほどのことがない限り買う事はないと思います。そんなことを考えていること自体おかしいことなんですが、、、、

マイティに話がそれてしまいましたが、Elna Lotusはコンパクトなのにパワーがあり、スピードがあると書かれていて、その独特なデザインとともに魅力のあるミシンだということで、どうしても手にしてみたかったのですが、今は新品はもちろんのこと、中古でもなかなか出てきません。
ただし、修理ブログなんかをみると今でも時々掲載されているので、今も現役機として使っている人が少なからず日本にもいるようです。
アメリカのebayなんかでは定期的に出品されているので、それを購入することも何度か考えていましたが、手頃な値段ではなかなか見つかりませんでした。アメリカからだと送料を考えると買おうと決断できるものは限られてくるのです。

そんな中、苦節うん年…。 ということではないですが、やっと念願のミシンを手に入れる事ができました。
それも一番欲しいと思っていた色・オレンジ色のもを。



トップカバーを開けたところ、部品が収納されています。

Elna Lotus にも、SP、TSPとついたものがあり、私が買ったTSPはSPよりも縫い模様が少しだけ多いみたいです。

また、何回かマイナーチェンジをしているようで、Elna Stellaなどは同じような筐体デザインではありますが、Lotusが電動ミシンなのに対し、Stellaは本体のスライドバーで速度制御機能が出来る電子ミシンになっています。

Elna Carina というのはLotusとも似ていてよいデザインのミシンですが、これはコンパクトではなくやや大きめ、中型くらいのミシンでパワーもLotusよりもあるそうです。


3 件のコメント:

  1. 初めまして‼︎
    最近10年ぶりに洋裁をスタートしました。久しぶりの洋裁のお店に行ってみて 技術の進歩や材料道具の豊富さに驚いております。
    私の使ってるミシンはNEW HOMEのTWO IN ONEです。こちらの過去記事で紹介されていて嬉しくて思わずコメントしてしまいました。
    高校入学のお祝いに母に買ってもらったものです。反対側にロックミシンが付いてて当時では画期的なミシンでした笑。

    神戸にミシンスペースをオープンさせるとか。その際には是非お邪魔させていただきます。
    これからもお邪魔させていただきます。
    突然失礼いたしましたm(__)m

    返信削除
  2. みかさん。 コメントありがとうございます。 ジャノメ TWO IN ONE。自分も大好きなミシンです。いくつかジャノメのミシンも使いましたが、使いやすいですし、他のミシンメーカーでは作れないとても優れたミシンです。とてもいいものを高校生に時にプレゼントされたんですね。
    スペースをオープンした際にお越しいただけるとのことありがとうございます。またその際にお会いできるのを楽しみにしています。

    返信削除
  3. ウチも70年頃に母がエルナロータスを持ってました。

    返信削除