2015/03/10

デザイナーズミシン

家電製品や集合住宅などで、デザイナーズ家電や、デザイナーズマンションなんかは結構企画され、ここ15年から20年くらいの間は量産されてきた印象がありますが、ことミシンとなると、なかなかそういうものは思いつきません。

もちろん、先日紹介したelna Lotus はレイモンド・ローゥイーによるものですし、とんがったデザインのミシンという点ではこれほどのものはないといえるNECCHIのLOGICAはジウジアーロデザインです。

そして世界のミシン市場をリードする我が日本はどうかというと、かつてジャノメミシンのデザインの多くを担当していた小杉二郎さんは日本の戦後、我が国のプロダクトデザインの黎明期を牽引するデザイナーなので、これもある意味ではデザイナーズミシンといえるのかもしれません。
ただし、はっきりとデザイン優先で、これは他のものとは全く違う、機能はさておきこのミシンでないと、と思わせるようなユニークで革新的なデザインと呼べるようなものはあまりお見かけしません。
あくまで個人的な意見ですが、小杉さんのものはデザイナーズミシンと言えるほど特徴的なものではないようが気がしています。

これは車や家電、デジタル機器も同じですが、日本のメーカーはどこも同じようなものを横並びで作っているという印象が拭えません。
携帯電話(近年ガラケーといわれるもの)全盛の時代はデザイナー携帯というものが各携帯電話メーカーや通信キャリアから発売されていて、面白いものも多く、自分はこれが欲しい!と思えるものが結構ありましたが、スマートフォンの時代になってからは、iPhone以外はどれも一緒に見えます。なんならiPhoneは今のスマートフォンのデザインの元となったものなので、これも含めてそれほど変わりがないと言えると思います。
一つくらい丸とかオーバル型のスマートフォンや、折り畳み2面スマートフォンなんあってもいいようなものですが、なかなか一般には出回っていません。

ミシンの筐体デザインという点で、日本のリーダーがどこかといえば、Brotherだという気がします。
JUKIのミシンも結構Brotherの先行機種を意識〈真似?)していたりします。
今のベストセラー家庭用ミシン、JUKIエクシードシリーズは明らかにBrotherのフェリエやアデッソという先行販売ミシンに似通っています。
好き嫌いはさておきブラザーはキャラクターを配したものや、花柄、ローラアシュレイモデルなどターゲットを明確にして、そこにはまるデザインをしているといえるでしょう。
かつてあったJUKI The Misinのレバーの位置やデザインも、ブラザーのコンパルから来ているのではないかと思われるのです。

ジャノメのデザインは色々‘とっ散らかった’印象があり、どうもブラザーほどターゲットとデザインに統一性がありません。どれも中途半端でどの人にも何とか合えば、というようなデザインが多いです。ターゲットを広めに設定していて定まりにくいのかもしれません。
何となく真ん中みたいなデザインをして、あとは変な柄とか、エンブレムをつけて他のモデルと一応差別化しましたという感じに見えます。
機能、性能は申し分ないだけに勿体ない。
刺繍ミシンも何となく、ブラザーに比べると。。。。。。。です。

私としては、世界をリードする日本のミシンメーカーに、デザイン的にこれが欲しい!!と思わせるミシンを作ってほしいのです。
ベルニナやハスクバーナ、Pfaff なんかは今でも家庭用ミシンでかっこいいと思えるデザインのものがありますが、それらの外国メーカーではなく、日本のメーカーにここらで一発やって欲しいのです。
日本には優秀なデザイナーがたくさんいますし、デザインコンペで一般に募ってみてもいいのではないでしょうか。
外国のデザイナーでもいいでしょうし、各社それなりに本気で外観デザインに取り組んだ、思わずこれはいい!!と思わせるミシンを作ってほしいのです。

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