2015/03/09

ロータスのボビン周りと操作性

ロータスシリーズは60年代から販売されたミシンなのですが、下糸は水平ガマです。
ただし、プラスチックではなく、金属製のボビンを使います。

純正ボビンは他では見たこともない形をしています。
私が買ったものには1つだけ純正ボビンがついていました。
Elna Lotus 純正ボビン。 ボビン上側だけ穴が開いた形状。

ただし、普通の11.5㎜厚の家庭用アルミボビンが使えますし、ベルニナの純正ボビンは厚さがより近いので、ベルニナのボビンを使うこともあります。ただし、ベルニナの純正ボビンは下糸巻軸に入りません。だから他のミシンで既に巻いてあるベルニナボビンは使えますが、ベルニナボビンにロータスで下糸を巻く事はできないです。

ボビンを取り出しにくい時は、ミシンの針棒後ろについているこの金具を上から降ろしてボビンの軸穴に入れて取り出します。

また、フットコントローラーはこんな形をしています。


右側の白い出っ張りは特にボタンという訳ではなく、左側の黒い部分を踏んだり、押したりして、速度調節をします。普通のフットコントローラーよりも小さいので、使いにくいかと思ってしまいますが、そんなに使いにくくはありません。

そしてこのミシン、送り性能、縫い性能はコンパクトなボディにしては非常に高いものを持っているのですが、操作性という点では今のミシンは言うに及ばず、その当時やそれ以前のミシンにも劣る点があります。

それは返し縫いをするには、右側の”送りダイヤル”をクルッと回して返し縫のポジションまで回さないといけないのです。
一番右側が送りダイヤル、その左がふり幅ダイヤル

さらに普通の前進縫いに戻すには、すぐに縫いたい長さの目盛りまでダイヤルを回して戻す必要があるのです。
昔の鋳物ミシンや足踏みミシンでもレバーやボタンで返し縫いあ出来るものがほとんどでしたが、elna Lotusはそういう形にはなっていません。

また縫い模様を変更する際は、真ん中にあるふり幅のダイヤルを0にしてからでないと、一番左の模様選択ダイヤルが動かせないなど、ひと手間余計にかかることがいくつかあるのです。

慣れてしまえばなんてことはないのですが、今の便利なミシンになれてしまった人からすれば、こういうのを面倒だと感じる人は少なからずいるでしょう。

やはりなんでも一長一短で、すべて万能というミシンはほんとに少ないということかもしれません。
性能もよく安定していますし、コンパクトで収納や持ち運びにも便利ですが、操作性という点でやや難ありといったところです。

ただし、多少の不便や手間がかかるものでも、このミシンは総合的に優れたミシンなので、修理してでも長く使いたいという人が多いのも納得できます。
このサイズと軽さでこれほど基本性能が高く、安定性のあるミシンは世界中どこを探してもなかなかないでしょう。

シンガー・フェザーウェイト221Kなんかも、小さ目で軽いミシンの割に、縫いの安定性や耐久性、信頼性の高いミシンですが、elna Lotusのようにジグザグができませんから、ジグザグでかがり、ボタンホールができるミシンとなると、この小ささで信頼できるのはelna Lotusとなるのです。

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