日本人にとってポップでコンパクト、かわいい水平釜ミシンのはしりといえば、シンガー・モナミシリーズだったのではないかと思います。
シンガー・モナミは70年代にヒットし、広く普及したコンパクトミシンです。
elna Lotus はコンパクト水平釜ミシンでも金属ボビンを使うのですが、モナミは今や家庭用ミシンでは常識となったプラスチックボビンを使います。そういう点でも現在販売されている家庭用ミシンの気軽な機械という流れを作ったミシンと言えるものです。
モナミというとオリジナルバージョンの353(フランス製)とその後継(日本製)384などのポップな花柄が印象に残りますが、その他のものは前面のカラーが一色です。
私がざっと調べたところ型番による前面パネルの色・デザインは以下のようになります。
384=オリジナル353と同じフラワー柄
385=黄色とゴールドの中間のような色
387=ピンクベージュ
389=レモンイエロー
390=エンジに近い色
394=グリーン
397=鮮やかな赤
私の買ったのは394、前面がグリーンで、Mon ami Ⅱというものです。
アメリカのかつての工業製品が持っていた(ヨーロッパ製とも違う)カッコ良さみたいなものが感じられます。
このミシンは日本製ですが、部品などはアメリカから輸入し、デザインもアメリカで行っていたものだと思われます。
前面のSINGERの文字が綺麗です。
S I N G E R という文字も日本でデザインしていたら一文字ごとに大きなスペースをいれたりはしていなかったでしょう。この空間感覚がアルファベットの国ならではだと感じます。
下糸巻きの際はプーリー内側にあるボタンを押して、針の動きを止めます。
返し縫いはベッド右部にあるこのボタン。送り長さ調節のダイヤルを押すと返し縫いになります。
モナミには直線専用とジグザグができるものがあるようです。ジグザグができるものも直線用針板が入っている事もあります。(少なくとも394には入っていました。)
フットコンはNECCHI ロジカ同様、手前を踏むようになっています。(通常、ミシンのフットコンは奥を踏みます。)
フリーアームにするにはテーブルの後ろ部分を押えるとこうなる。
スラント針。シンガー特有の針元が見やすい斜めになった針棒周り。
押えの棒も斜めになっています。
なお、ミシンケースは従来のミシン全体を覆うものではなく、取り付けると本体と一体化するようになっています。ケース部分を左側にスライドさせて取り外します。
ケースを取ると、針棒部分とふろころ部分がオープンになります。
左がケースを取り付けた状態、右がケースを外したところ。 後ろにあるのがケースです。 |
以上、モナミの他のミシンとは違う、形状的特徴をいくつかあげてみました。
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