うーん、まずこのミシン、使いやすいです。
手元ボタンはJUKI HZL-7800やセンサークラフト7510、山崎ミシンなんかでも経験済みですが、その時は手元ボタンでは全然ダメだと思っていました。
電動の山崎ミシンはともかく、7800やセンサークラフトは縫い初めと返し縫がどうしても遅くなってしまって、”はやい”にスピード設定していると3針程縫った後、いきなり変速し、針が早くなるのです。
その点モナミパステルは、スピード設定を一番早いに設定しても自然に加速していくので、フットコンを使った時と加速の感覚が似ているのです。
全体として滑らかな動きです。
一時的に遅くしたい時は、その時だけスローにするボタンもあります。
スタートや返し縫などの運転操作ボタンも押しやすい位置にあり、運転中は緑に光っているので見やすくボタンも押しやすい。使いにくいと感じる部分が殆どないのです。
また、糸通しですが、本体にどこを通すか番号をふって書かれているので、順番にそって、↑の表記どおりに通していけば、説明書がなくても糸通しの仕方がわかります。下糸も点線矢印でわかりやすく上糸と区別して番号がふられているので、こちらも親切。
いまどきのミシンは、何より使いやすさを重視しているのでしょうね。
そして、”
いまどきミシン”はこういうものなのか、糸通しのスリットがかなり細くなっていて、天秤などの上軸機構がある中が全く見えません。今まで見ていたミシンとは明らかに違います。ホコリなどが入りにくいのでしょうが、糸がらみなどあった時に取り出しにくく、いいのか悪いのかわかりません。最近のミシンはこうなっていることが多いみたいです。
好みにもよるでしょうが、デザインは悪くありません。断言できます。
家電店や手芸店でよくみかける曲線がおかしく配置されているミシンとは違い、全体が自然な曲線で構成されています。
横から見ても独特な曲線でなかなかです。
ボタンもこの曲線のボディになじむようになっていて単純な○型だけでなくオーバル型のものもあります。色も白地に濃い青なので、安っぽくはありません。
そして、思っていたよりボディは小さいです。
一応このミシンはコンパクトではなく、フルサイズの範疇に入るようなので、懐の空間は小さいわけではありませんが、全体として小さい印象です。重くもありません。
ただ、今のミシンの特徴なのですが、昔のミシンにあった重厚感とか機械的な雰囲気が感じられません。プラスチックのボディによるものなのかしれませんが、綺麗でサラッとしている感じです。
昔のミシンは、モーターや油の匂いがする機械でしたが、今のミシンは家電製品に近いのでしょう。
80年代とか90年代のミシンともちょっと違うような気がします。
消費電力は50W と職業用をはじめ、HZL-7800 ベルニナやメモリークラフトなどのかつての頑丈な家庭用ミシンの半分くらいです。
電子ミシンや昔のコンピューターミシンと比べて、モーターの消費電力や大きさは小さいのですが、コンピューター制御の性能向上により、数字以上のパワーと貫通力があるとのことでした。
最初、針の動きを見る限りそんなに貫通力があるようには見えませんでした。音も非常に静か、というかおとなしいとも感じます。
頑丈で貫通力のあるミシンは針が半分くらいまで下がった後にさらに力が増すような動きに見えるのですが、このミシンは規則正しく普通の上下をしているように見えます。
ただし、このモナミ、静かでおとなしい針の動きに見えるものの、そこそこ貫通力はあるようです。
あまり負荷をかけるのはよくないので、無理はさせたくありませんが、16番の針・普通押えで革2枚重ねを縫う事ができました。ハスクバーナ・エメラルド183では縫えずに途中で止まってしまったものです。(エメラルドは北米仕様120Vのものを100V電源で使用した時ですが)
厚い布だと感知したらコンピューター制御でパワーアップするようにでもなっているのでしょうかね。
何となく一針目で厚いと感知したら、ガシガシと針が入っていくような感じがしました。
革を縫ってみて、この
モナミヌウはそこそこ貫通力があるのだということがわかりました。
その後、革を3枚にして段差があるようなものにすると、ちょっと送りが悪くなってしまったので、
貫通力はあるが、ベルニナやJUKI HZL-7800なんかと比較すると
送りがやや劣るのかなという印象です。
テフロン押えにしたら少しは改善されるのでしょうが、より送りを確実にするためには別売りの
上送り押えが役に立つのだと思います。
貫通力はありますから、上送り押えを使って革を送ることが出来れば、問題なく縫えるのではと感じました。今まで送りと貫通力が優れたミシンを使っていたことや、キルトもしないため、上送りが必要だと感じた事はなかったのですが、初めて上送り押えの必要性を感じた出来事です。
普通の布を縫うには十分だと思いますし、テレビでやっているデニム10枚とかそういうのも問題なく貫通しそうな気がします。
革とか帆布など厚く硬めの素材をよく縫う人はもっと頑丈なミシンの方がいいかもしれませんが、
通常の使い方をする分にはこれで十分でしょう。
難素材や厚地も上送りなどのオプションを使いながら使えばある程度まで縫う事も出来るはずですし、このミシンはなかなか優れたミシンです。