2016/09/25

Singer HA型 ビンテージアタッチメント 押え

SINGERミシンは1900年代前半から多くのアタッチメントを作っていたことを以前書きました。
その時はボタンホールアタッチメントを紹介したのですが、今回はそれ以外の押え類についてです。

古いシンガーのミシンの説明書には後半のページでこれら豊富なアタッチメントの使い方が丁寧に書かれてあります。
シンガーの足踏みや直線HA型のビンテージミシンを買うと、運が良ければアタッチメントもついていますが、私が買ったものにはついていなかったので、説明書を見て気になっていたので、アタッチメントのセットを購入しました。

今のミシンなどでもついている三巻押えや布ガイドなどのほか、バインダー押え、ひだ取り、タッカー(タック縫い用)の押えなどがあります。
買ったものの中に入っていたもののいくつかを紹介します。

広幅三巻押え
 幅の調節ができます。 また手前部分は開きます。

Binder バインダー
この押えにはスロットがいくつもあり、バインダーの幅により入れる場所を変えられるもの、バインダーの布を立てておける金具がついたもっと良いものもあります。


Ruffler ひだ取り
何ステッチに1回ひだ取りするかを調節できるスロットがあるのですが、これは1と5の2つのスロットしかありません。もっと多くスロットがあるものもあります。


Tucker タック縫い用
これ、一見しただけでは何に使うのかわからなかったのですが、タックを縫うものです。幅の調節もできます。

エッジステッチ用などこれ以外にもSINGERにはたくさんのアタッチメントがあります。金属でできているので、錆にさえ気を付ければいつまでも使えますし、多少錆びても錆取り剤などでとればいつまでも使えます。
精巧に作られた機械とその部品って魅力的ですね。


最近シンガーミシン(株式会社ハッピージャパン)は押えや針板などのパーツをメーカーHPでオンライン販売しているようです。こういうのがあると助かりますね。
他メーカーも問い合わせ窓口から聞けば、パーツなどを売ってくれるようですが、問い合わせなくても写真で載っているとわかりやすいです。



2016/09/15

電動・電子ミシンにどうぞ! ジグザグミシン用ボタンホーラー

ボタンホーラー(ボタン穴かがり器)といえば、通常は直線ミシン用に作られています。

以前紹介した、シンガーのビンテージミシン用のものから、ブラザーの職業用ミシン用のものまで、基本的には針が横振りしないミシンに取り付けると、ボタンホーラーが生地を左右に動かして縫ってくれます。

今回ご紹介するのはちょっと変わり種のボタンホーラー、ジグザグミシン用のものです。

えっ!?

ジグザグミシンならボタンホールが縫えるのに、ボタンホーラーなんかいらないじゃない?

と思われた方もいるかもれしれません。

そうなんです。ジグザグミシンならボタンホールは縫えます。

ただし、コンピューターミシンの縫い模様が豊富なものでない限り、電動・電子ミシンではスクエア(四角)のボタンホールしか縫えないですよね。

持っている電動・電子ミシンにおおむね不満はないのだけど、キーホールボタンホール(鳩目)やラウンドエンド(ねむり)のボタンホールを作れたら、と思うことがあります。

そういうミシンに取り付けるために作られたのがジグザグボタンホーラーなのです。

私も古い頑丈な電動・電子ミシンで好きなものはたくさんあるのだけど、ボタンホールが1種類しか縫えないことだけが、やや物足りないと思うことがあります。
コンピューターミシンよりも操作も簡単で、機械式なので故障の心配も少なく、安心して使える電動・電子ミシンの弱点を克服してくれるのがこのジグザグミシン用ボタンホーラーです。

手に入れたのはジャガーが作っていたものです。

駒は10個あります。そのうちのいくつかです。アイレットもあります。

家庭用ジグザグミシンに取り付けたところ。


駒はボタンホーラーの上、ジャガーのロゴがある部分を開けると上から入れ替えできるので楽です。(職業用のボタンホーラーの駒の入れ替えは後ろから見えない状態でやるのでやや面倒)

このボタンホーラーで縫ったボタンホールはこんな感じです。

ほかのボタンホーラーと同様、1周しただけでは心もとない形にしかなりませんが、3周、4周くらいするとかっちりしたボタンホールの形が作られます。

どちらかといえば、コンピューターミシンの方が綺麗に作れる気がしなくもないですが、一応ボタンホールが形になるので、これを持っていると安心です。

使うとき注意しないといけないのは、普通のボタンホーラーと違ってジグザグミシン用なので、ふり幅を1~2cmにセッティングしないと、直線のホールになってしまいます。

ジグザグミシン用のボタンホーラーが現在販売されているのか定かではありませんが、少なくとも私が知る限り、売っているのを見たことがありません。コンピューターミシンが主流の今、これを作ってもそれほど売れないのかもしれませんし、直線家庭用ミシン向けのボタンホーラーをとりつければいいからかもしれませんね。
でも、新品のボタンホーラーって結構高いですよね。もう少し安ければと思うのですが。

2016/09/09

三つ巻ラッパ 職業用と家庭用に取り付けてみた。

以前から気になっていた三つ巻ラッパ。
取り付けることにより広幅の三つ巻を縫えるアタッチメントです。
もともと工業用に作られたアタッチメントなので、様々なサイズのものがあります。

縫う枚数が少ない場合は、アイロンで整えるなどして縫ってしまえばいいのですが、同じアイテムを一定数以上縫うことになったので、この機会にネットで安価なものを買ってみることにしました。

針板の横にある2つのネジ穴を使って取り付けます。
下の写真は職業用ミシン・JUKI SPUR25SPのベッド面です。針板の右に3つ穴がありますが、下の2つがネジ穴です。

取り付けたところです。針落ち位置より、ラッパ部分の左端が少しだけ左に来るようにして、三巻部分の際を縫えるようにセッティングします。


手前部分がアームのように動きます。


縫いはじめの部分を手で三巻に折って、押えの下に布を入れ、その後ラッパ部分に生地を通してセッティング。


縫う準備が整った状態。


実際に縫ったところ。


仕上がりはこんな感じ。



次に家庭用ミシン、リッカー・ベルニナ1021に取り付けてみました。
このミシンはフリーアームなのですが、三つ巻きラッパのアームを動かしやすいように付属のエクステンションテーブルを取り付けたほうが使いやいです。


このミシンも針板横にネジ穴が2つあるので、取り付け可能です。昔の家庭用ミシンはこの位置にネジ穴があるものが多かったのですが、最近の家庭用ミシンで水平釜のものは針板横のネジ穴がないものもあるので、そういう場合はネジを使っての取り付けができません。(位置を合わせてテープなどでとめてしまえば使えるかもしれませんが。)

セッティングや縫う手順は職業用ミシンと同じです。




職業用ミシン、家庭用ミシンともに取り付けができれば、縫うのはそれほど難しくないような気がします。

2016/09/05

Knit14 ニットソーイング、まとめ

ニットソーイングに関することについて、今まで13回にわたって書いてきました。

ロックミシンやカバーステッチミシンなど、ニットソーイングに有用なものをそろえていけば縫いやすいのは間違いがありませんし、縫い目もより既製品に近づいていきますが、それらがなくても工夫次第でそれなりの形に縫うことは可能です。

2本針4本糸の作動付きロックミシンがあるのが、作業時間や縫いやすさを考えれば望ましいと思いますが、カバーステッチミシンまでは個人の使用ではいらないと感じます。

Tシャツやカットソーなどはパーツの数も少なく、縫う工程もそれほどないため、シャツやパンツ、ジャケットなど布帛のソーイングに比べても難しくありません。生地の伸びを意識して伸縮する縫い目をどう作るか自分なりの方法を見つけてしまえばいいのです。

型も一度作ってしまえば使い回しができます。

袖は長袖でも半袖でもそれほど手間はかわらず、身頃部分は1つの型で、袖を長くするか短くするかでいくつかのパターンに簡単にアレンジできます。

一番気を付けるのは襟周りの生地の伸びです。
襟ぐり布を伸ばしながら縫って、首回りがびろ~んと伸びないように縫うことを覚えてしまえば、ニットソーイングはこっちのもの。
ダダダっとスピーディに縫っていけるようになるので、だんだん楽しくなってくるでしょう。

今回ニットソーイングについて書いてきたことがお役にたてば幸いです。