2015/07/31

幸せの黄色いミシン 購入ミシンNO.38 ジャノメKM2010 クライムキミシン

ブログのスタート時に触れたことのあるこのミシン
その当時は購入することはないと書いていましたが、中古で思いのほか安く手に入れる事ができたので、興味本位で買ってしまいました。


実際に動かして、縫ってみて感じたのは、まず、非常に使いやすい、ということです。

操作がわかりやすく、動きが滑らかで、安定感があります。また本体も持ち運びに重すぎず、運転を考慮しても軽すぎず、絶妙な大きさと重さなのです。
懐はそんなに広くもないが、狭くもないので、普通のソーイングには十分です。

店舗でこのミシンを見ていると、このデザインのミシンを7~8万円程出して買う事はないなーと思っていましたが、実際に触れて、動かしてみて、長年このミシンだけでずっと使っていくという気があれば決して高すぎるとは思いません

おそらく故障も少ないので、時々使ってメンテナンスしていけば、かなり長い間使えるのではないかと思います。白やベージュのプラスチックであれば、劣化や紫外線によりだんだん黄色に変色してくる恐れがありますが、このミシンは元々それをもしのぐ濃い黄色なのでその心配はありません。あまり日に当たりすぎると黄色などの暖色は退色しやすいですが、マットな質感なので、色あせてもそれ程気にならないでしょう。

ジャノメの電子ミシンでも4600や5710などは、クライムキミシンとボタンやダイヤルなどは似たデザインで、手元操作ができるところも同じでありながら、もっと安価で手に入れる事が出来ます。ただし、クライムキミシンに比べてフットコンは別売りで付属品は少なく、押え圧調節がありません。

またジャノメ電子ミシン3090はフットコン専用で基本性能が高いミシンだと思われますが、こちらも押え圧調節がありません。この3090を進化させたようなジャノメ製造のハスクバーナ・エメラルドは押え圧調節があるので、シンプルなつくりの電子ミシンが欲しい人には間違いなくハスクバーナ・エメラルドはお勧め出来ます。これであれば5万円前後で購入できると思います。

一方、クライムキミシンはワイドテーブル、フットコントローラー、太糸用専用釜など付属品が多く、押え圧調節、手元操作ボタン、針停止位置指定、止め縫い機能などソーイングにあればいいなと思う機能は網羅されています。さすがは有名ソーイングデザイナーが企画に加わったミシンと呼べるもので、使い勝手もよいのです。
価格こそ電子ミシンにしては高く感じるでしょうが、長く大事に使う事を考えれば、その価値があるのではないかと思わせられるのです。

もちろんコンピューターミシンはボタンホールなどの種類も多く、今のミシンの主流ではありますが、ボタンが多く操作が難しいと感じる人もいるようです。また、コンピューターミシンは一度電源を切るとそれまでの設定が無効になりますが、電子・電動ミシンは電源を切る前の設定が残り、続きを縫う場合もそのまま使い始められるという利点があります。
そういう事からも、昔ながらのシンプルなミシンがいいと言う人にはクライムキKM2010はぴったりだと思います。

色やデザインが受け入れがたいのではという懸念については、艶やテカリもないので目に優しく、マットなデザインで、思っているほど強すぎる事もありません。
蛍光灯照明が明るい店舗で見ると、ちょっとこれは、、、、、、と感じていたのですが、実際に家で置いて使ってみると、それほど人や置く場所を選ぶわけではないのだなというのが実感です。

好きなデザインかと言われれば躊躇なくYESとは言えませんし、ミシンを一台しか持てないとなると私はこのデザインのものは選びませんが、明るい色のミシンが欲しい、黄色が嫌いではないという方であれば問題ないでしょう。
なお、このミシンを写真でみて黄色に黒の文字が阪神タイガースのようだと書いている人がいましたが、文字は黒ではありません。濃い緑です。

どこかのサイトに書かれていたのですが、このミシンを幸せの黄色いミシンと言う人がいるそうです。まさにその名にふさわしいミシンという気がします。
コンピューターミシンのように使わない機能をあれこれ付けて、センサーにより警告音が鳴ったり、操作時にピッピッピッと音がなるなんてことはありません。
デザインや付属品にも独自性がありながらも、余計な無駄を省き、機能的に本当に何が必要かを追究した地に足がついたミシンなのです。
こういうミシン、昔はたくさんありましたが、今はあまり販売されていません。


2015/07/28

宝石の名前が覚えられるハスクバーナのミシン、ブラザーコンパル復活

エメラルド、オパール、サファイア、トパーズ、ルビー、ダイヤモンド.
ミシンのモデル名に宝石の名前がちりばめられたハスクバーナ。
私は男なので、宝石やジュエリーには詳しくありません。ただ、このハスクバーナのミシンを見ていて、ジュエリーに詳しい人に聞いてみたら、エントリーモデルのエメラルドは宝石としては比較的安価で、ルビーなんかは高価だということでした。
ダイヤモンドが高いのはさすがにわかりますが、私はミシンを通して宝石の知識を少しだけ身に付ました。

オーストラリアに旅行で行った時、街中にOPALと書いている店を多数みかけました。オーストラリアはオパールの主要産出国のようですが、ちょうどハスクバーナのミシンを通じて覚えたばかりだったので、どうしても目が行ってしまいました。

ルビーと言えば、日本人の一定年齢以上の人は寺尾聰の「ルビーの指環」を思い浮かべそうですが、トパーズと言えば、私は中山美穂の80年代のヒット曲「C」を思い出します。
この歌は冒頭、トパーズの月明かりあなたを追って~、とはじまり、”水晶の波” ”ほうき星が流れる” ”夜空漂うガラスの魚みたい” ”さそり座の赤い星涙でくもる”、など最近の歌によくある(君を守るよ~、あなたとずっと一緒~、○○に行ったね~)といった日記のような歌詞とは違い、プロの作詞家の力量がみられるものです。描写が緻密で、みずみずしい情景が浮かんでくるような言葉選びをされています。歌唱力は何ともいえませんが、動画はこちらでどうぞ。
ちなみに、「C」「ルビーの指環」どちらも松本隆さんの作詞によるものです。

話は変わりますが、ブラザーの70年代~90年代初頭までのヒットモデル、コンパルというミシン。
最近になってこのモデル名を復活させたようですが、このシリーズのミシン、どうも外観デザインがハスクバーナのミシンと似ているような気がするのです。
WEBで画像を見た時、色やボタンの位置、アームの雰囲気などがハスクバーナの一部のモデルを想起させました。

刺繍ミシンに力を入れているブラザーは、刺繍ミシンのリーダー的存在、ハスクバーナのミシンを意識しているのでしょうか。上位機種のイノヴィスもよく見たら、ダイヤモンドなどのミシンとモニターの位置も同じですし、何となく形が近いのです。

まあそれでも、NEWコンパルはデザイン・機能ともになかなか魅力のあるミシンです。刺繍をしないならこれくらいのミシンがあれば快適なソーイングを楽しめそうです。

2015/07/25

昔のミシン、下糸巻時に針が動いてしまう???

今の殆どのミシンは下糸巻軸を右に移動させるだけで、針は動かなくなりますが、古いミシンは下糸巻時にプーリーの内側のストップモーションスクリューを回して針駆動を解除しないといけません。

私が買ったものでいうと、シンガー15-90、トヨタHZ-586、ジャガーMATEは中古購入当初、この部分が固着していて、手で回してもぜんぜん回転しませんでした。下糸巻はあまり使わないので、長年放置することにより、どうしても固着してしまうようです。

TOYOTA HZ-586 プーリー
TOYOTA HZ-586や他の多くの鋳物ミシンの場合、内側のシルバーの部分を回して針駆動を解除します。

ジャガーMATE・オレンジは、他のミシンではあまりないですが、プーリーを右に引っ張る形です。
グレーはプラスチック製プーリーが左右2つに分かれていて、左を押えて右を回すと解除されます。

1台目オレンジ
2台目グレー





ジャガーMATEグレーは、この部分が最初全く動かなくて、下糸巻時に針も一緒に動いてしまっていました。何度もトライしてみたのですが、左側の持つ幅も狭いので、どうにも力が入らず、固着が解消されませんでした。
当面そのままにしていたのですが、やはり不具合は解消したいと思い、右サイドグレーのカバーを外して、力をいれてグイッと回したら何とか解除できました。

私は以前TOYOTA HZ-586でこの部分をばらした後、元に戻す方法がわからなくて、間違った入れ方をして針駆動の解除が機能しなくなった事がありました。

そのため、昔のミシンを買ったものの、下糸巻時に針駆動を解除できない人(そんな人あんまりいないか。。。。)の参考になればと、この部品をばらした後の戻し方を書いておきます。

以下はジャガーMATEのプーリーですが、上のTOTATAのミシンや他の鋳物ミシンの場合も同じように内側にシルバーの小さなネジがあるので、これをドライバーで緩めれば、プーリーの内側(ストップモーションスクリュー)が外れます。


ストップモーションスクリューの内部にこのような部品が入っています。

以下は部品を取り外したところ。


部品の円の内側にある2つある出っ張りを、プーリー内部取り付け部分に、はまりやすいからと奥に向けてしまうとこの機構がうまく動きません。
間違い例・出っ張りが向こう側
出っ張りを手前に向けてはめ込み、そっとプーリーを回して固定します。
正しいはめ込み。出っ張りが手前に。
プーリー取り付け時は、内側の小さなシルバーのネジは締めてしまわず、プーリーを取り付けてから、最後にドライバーで締めます。予めこのネジを締めてしまっていると、プーリーがしっかり閉まらず、下糸巻時に針駆動を解除できるようにはなりません。

以上、いったい誰のためになるのかわかりませんが、とりあえず書いておきました。

2015/07/22

よりコンパクトらしい、ユニークレトロデザイン。 購入ミシンNO.37 ジャガー MATE MarkⅡ グレー

このミシンは先日紹介したジャガーMate MarkⅡの色違いです。

ボディラインはほぼ同じですが、こちらのほうがよりシンプルなつくりで、レバーやダイヤルがおもちゃのようで、かわいさがあります。
グレーのトップカバーとオレンジのダイヤルの組み合わせが綺麗です。



内外部ともに金属部品が多く頑丈で、家庭用として十分に縫う力がありますが、見た目には機械的な重厚感が最もないデザインのミシンと言えるでしょう。


2015/07/20

イギリスのソーイング・バラエティ番組 The Great British Sewing Bee

イギリスの国営放送BBC Twoで、ソーイング関連のバラエティ番組 'The Great British Sewing Bee' というのがあります。

海外のソーイング関連のブログでその番組に関することを書いている人がいたので、そういう番組があるのは知っていたのですが、最近動画がYou tubeなどにアップロードされていたので、見てみました。

アメリカンアイドルやX-Factorなど、歌手やタレントの発掘番組と同じように、参加者が審査委員にジャッジされて、1人か2人など各回ごとに脱落者がでるという、欧米のバラエティ番組(Reality TV)の王道の進行手法をとっています。
これに先立ち、 The Great British Bake Off というお菓子やパン作りを競う番組があり、そのスピンオフ番組としてSewing Beeという番組が出来たようです。

Sewing Bee はファッション関連の人ではなく、アマチュアのソーイング好きの人を対象としています。
毎回3つの課題、Pattern Challenge(型紙を使った制作)、Alteration Challenge(カスタマイズやアレンジ・リメイクなど)、Made-to-measure(モデルの体型実測による衣料制作) が与えられ、各課題の制限時間内にいかにうまく縫って仕上げられるかということが審査されます。

皺が寄っていないか、ステッチが綺麗かどうかなど技術的な面も大きな要素ですが、各自がソーイングルームにある生地や資材を組み合わせて自由に作るので、如何にセンスよく形が良い物を作れるかも問われています。

サビルローのテイラーでデザインとクリエイティブディレションをしている Patrick Grantと、Women's Institute Academyなどで長年ソーイングを教えている May Martin の二人が審査員です。

この番組は、2015年(本年)春に放送されたシリーズ3まで続いています。さらに、フランスやスウェーデンをはじめとした北欧各国のバージョンも制作されたようです。

ミシンということでいうと、殆どの回でベーシックな家庭用電子ミシン(Janome 525S)が使われているのですが、Series 2では、Episode 5で上送りのついたジャノメのMemory Craft 6600(日本ではCK)Episode 6で1930年代の鋳物ビンテージミシンが登場。Series 3ではシンガー・フェザーウェイトやベルニナのミシンも出てきます。

英語がわからないとつまらないと感じるかもしれませんが、なんとなくこんな番組なんだなというのは映像を見ればわかるでしょう。それぞれの参加者がアイデアを凝らして色んなものを作りだすので、感心することもあります。個人的には、回を重ねるごとに番組がこなれてきたのか、Series 3が面白いと思いました。

BBC Sewing Bee のページ
http://www.bbc.co.uk/programmes/b03myqj2

You Tube 動画 Series 1 Episode 1
https://www.youtube.com/watch?v=DI0rLz40wgE

Series 3 Episode 1
https://www.youtube.com/watch?v=Snwv0sUmSyU





2015/07/17

しつけ縫い機能の修繕。機能が多い事の弊害。

問題なく縫えるようになったお気に入りのベルニナ170ですが、ある時、模様縫い番号21の長い直線のマーク(しつけ縫い・ロングステッチ)を選択して、動かしてみたところ、針が一度だけおりたあと、送り歯が動くだけで全く針が動かなくなってしまいました。

これは困ったと、直線縫いやジグザグ縫いを選択し直しても全く針がおりないのです。
ロングステッチ・しつけ縫いの固着は同じベルニナのホリデーヌなどでもよくある故障とは聞いていましたが、この機種でも発生するとは。
ロングステッチは使わない人も多いので、固着している機体が多いのだと思われます。

左の面板を外して中をのぞいてみましたが、最初はどこを直せばいいかわかりませんでした。色々触っているうちにここかな、というところを推測し触ってみて何とか針が下りるようになりました。
一時は針棒近辺のバネが外れたりもしましたが、何とか機能回復することができました。

ただし、再度ロングステッチを選択するとまた針が下りなくなったので、この部分を何とか直したいと思い、修理に着手することにしました。
ロングステッチ時だけ動く部品を突き止め、ほんの少しだけ注油したり、手を添えて固着を解消するために慣らし運転をしたりしました。
いくぶん時間はかかりましたが、固着した部品が動くようになり、ロングステッチができるようになり、その後模様選択を戻しても針が動かなくなるような事はなくなりました。

ロングステッチ時に動く部品はこれ。



通常時はこの状態です。


ロングステッチ選択時はこの部品が右に動きます。この部分が出っ張ることにより、針棒が下がるのを一時的に止めることができるようになっています。


ロングステッチをする時は、数回に一度、この部品が通常時の状態に戻り、針が下りて、ロングステッチが出来るという仕組みです。

機能が多いと色んな部品があり、その分だけ故障率も上がります。
ロングステッチっていったいどれくらいの人が使っているのでしょうか。
機能がないよりはあった方がいいのかもしれませんが、一針縫って布を手で動かす方法でロングステッチするのでもいいような気もします。

2015/07/16

ベルニナCBフックシャトル、釜の変化。

修理のための部品取りにと買った2台目artista 170は、ボディにRICCARの名前が入っていないので、私が持っているベルニナの中では比較的新しいほうです。

このArtisita170の釜周辺を掃除しようと思い、中釜(フックシャトル)を取り出してみると、なんとプラスチックとメタルの混合部品になっていたのです。

プラスチック金属混合
金属製
ちょっとネットで調べてみたら、今のベルニナの中釜はプラスチックと書かれているページがありました。そして自分の持っている他の同時期に販売されていたベルニナ160や130も見てみるとプラスチック混合部品になっていたのです。

ホリデーヌの頃は全て金属製の釜でしたし、1台目ベルニナ170は金属製の釜だったので、特に気にすることもなかったのですが、いつの間にやらプラスチック製の部品に変更されていたようです。

縫い性能や耐久性にそれ程影響がないのかもしれませんが、日本メーカーだけでなくベルニナもこういう部分で軽量化やコストダウンをしているのでしょう。

2015/07/14

待てば海路の日和あり。数か月後のベルニナ・アーティスタ170。

ミシンに限らず、機械類の収集が好きな人は、ジャンク品を買って不具合があるともう一つ同じ機種を手に入れて、部品を入れ替えて修理する事がよくあるようです。

自分の場合、幸いなことにちょっと手をかけて簡易修理をするだけで殆どが動くようになっていたのでそこまでする事はありませんでした。

ただし、ベルニナ・アーティスタ170はデザイン・機能ともにかなりお気に入りのミシンなのですが、専門店に修理を依頼するも結局直らなかったのです。直らないとはいえ、処分するにも忍びなく、そのまま置いていました。

それから数か月後、電源が入らないというアーティスタ170を手にします。
ディスプレイに何も映らないという事であった1台目170も、自分で内部をあけていくつか接続部分などを触ってみたらディスプレイ表示が可能になったので、電源確認がとれないものも色々やってみたら何とかなるのではないかと思ったのです。

ただし、手元に届いて色々とやってみるも、電源が全く入りませんでした。
電源基板の部分を取り出してみて、見てみると、何となくこの部分がダメだから電源が入らなくなったのかなーという箇所がありました。
あー結局ガラクタを手にしてしまったという思いもあったのですが、ここで諦めては男がすたる。
このミシンに対する思いが強いなら何とかなると思って、思いつく解決策を試してみることにしたのです。

機械的に固着していて、ステッピングモーターがダメになっているが、液晶モニターや電気系統・基板は稼働している1台目(外側)
電源は入らないが機械的な故障がなさそうな2台目(内部)
この2台の問題ない部分を組み合わせれば使えるようになるのではと考えたのです。

1台目の基板、カバー、液晶を、2台目の機械部分(上軸、下軸機構、モーターなど)にかぶせて、コネクタを接続して組み立てました。

そして、電源をつないでみると普通にディスプレイ表示されて起動し、針棒や送り歯も起動時の正常な動きをしました!
模様選択して縫ってみても問題なく縫い上げます。
1台目では修理しても直らなかった送りの長さ
調節や返し縫もできるようになりました。

やった!!!

苦節ウン年。--そんなにたってないが--
最初に見た時からそのデザインの美しさに見惚れて、どうしてもこのミシンが欲しいと思ったベルニナ初代アーティスタが、ちゃんと使えるようになったのです。


★★-------------------
ただし、1点気になる事が。

多くのコンピューターミシンでは電源を入れて起動すると、ガガッと音がしてステッピングモーターが動き、針棒が真ん中の位置になるようになっています。
直ったと思ったミシンは、その状態にあるとき内部から ピー っという電子音みたいなものがずっと鳴っているのです。何となく気持ち悪く感じました。

針基線を移動すると、1つ置きにピーという音が聞こえなくなります。ジグザグの模様を選択した場合も音が出ていません。
2つのミシンの部品を組み合わせて動くようになったものの、ステッピングモーターと基板のコネクションに相性が悪いところがあるのかと思いましたが、原因を特定できませんでした。

どうにも音がある事が気になるので、数か月後にまたいろいろいじったりしていたら、基板がおかしくなったのか、針が横ふりしなくなってしまいました。
直線縫いしかできない状態になってしまったのです。基線の変更もできません。

うーん。喜んだのも束の間でした。素人が余計なことやるもんじゃないなーと改めて思わされました。修理して使うか、改めて完全動作品を手に入れるか、どうしようか考えたりしつつ、しばらくやり過ごしていました。



★★★--------------------
ほどなくして、またジャンク品リッカー・ベルニナ170(3台目)を手に入れます。
これもフットコンや送り歯などに問題はあったのですが、フットコンは既に持っている正常なものを使い、少し整備したらスムーズに動くようになりました。

都合ジャンク3台で何とかベルニナ・アーティスタ170で縫物ができるようになりました。
結構長かったです。


はっきり言って他にも縫えるミシンは持っていますから、完全に自己満足の世界ですが、ずっと気になっていたものが何とかなってスッキリしました。

2015/07/12

さわっただけ。 購入ミシンNo.36 Singer 690U

このミシン、見た目が前から気になっていたのと、カム交換式のミシンというのを一度手にしてみたかったので、買いました。

ただし、思っていたよりも大きく、重い。


特にカバーが大きく、嵩張ります。(高さが必要以上にある)

カムも想像より一回り大きかったです。

マジックボビンと言われる特殊なボビンを使い、下糸巻もボビンケースに入れたまま行うようなのですが、手にした時は説明書もなく、やり方がわかりませんでした。

どうやら釜も回っていないようで、釜ギアが割れているのか、何かが固着しているのか。
普通ならここで開けて確認してみるのですが、そんな気になりませんでした。

保管しておくにも大きすぎる。フリーアームにもならないし、カム交換はやはり面倒。
ボビンも特殊だが、それを買い揃えてまで使う気にならなかった。

ということで見た目は嫌いではなかったのですが、すぐに旅立っていきました。


※後に英語の説明書を発見して下糸巻のやり方がわかりました。
  本体部分にも下糸巻の概略図が記載されているようです。(3つ目の写真の左側、カム装着部の上部)
  概略図を見ただけではさっぱりわかりませんが、やり方を忘れた場合は思い出す助けにはなるでしょう。


2015/07/10

All Saintsの店舗ディスプレイ

イギリスはロンドンが発祥のアパレルブランド、All Saintsというのがあります。
日本にはまだ未進出ですが、ヨーロッパや北米など欧米各国のほか、UAE、台湾、韓国などにもショップがあるようです。

そのAll Saintsの多くの店舗では、店内装飾としてアンティークミシンがウィンドウや壁一面にずらっと並べられているのです。

どこでそんなにたくさんのミシンを集めたのかと不思議に思うほど数も多く、圧巻です。

こんな感じです。

All Saintsはレザーアイテムをはじめ、ややくすんだような色合いのアンティークビンテージ調の服が多いので、それと相まって統一感のとれた雰囲気を醸し出しています。
http://www.allsaints.com/



2015/07/07

鋳物職業用ミシンの世界

現在では白を基調としたアルミダイカストボディが主流の職業用ミシンですが、かつて職業用ミシンはどのメーカーも鋳物製でした。
代表的なのはシンガーの103と188シリーズですが日本のメーカーも各社しのぎを削っていました。

ジャノメ761はどこからどう見てもシンガー188をベースにした黒いスクエアな筐体です。
見た目も美しくジャノメのロゴもバランスよく配置され、とても魅力的なミシンです。性能も申し分ないでしょうし、形も好きですが、やはりオリジナル(Singerのもの)が欲しいと私は思ってしまします。
糸立てや下糸巻、足踏みのロゴの位置、テーブルの形まで全てにおいてシンガー188と同じです。
ジャノメはその後、ボディカラーをシルバーに変更し763、766など後継機を製造し、鋳物職業用を他のメーカーよりも長く作り続けました。2000年代初頭までは製造していたと思われます。そのため職業用(高速直線)ミシンを発売したのは、ブラザーやJUKIのかなり後です。

ブラザーはTA1,TA2という型番で鋳物職業用を作っていました。
TA1はシンガー103型に似ています。
TA2でスクエアな形になり、色が黒からベージュやライトブラウンのより明るめのものになります。
またブラザーにはTZ1の型番で販売されたジグザグする職業用ミシンがありました。(B651やB652など)

JUKIはTR-7、TL-72やTL-82が鋳物職業用です。
TR-7は当時のJUKIお決まりのロータリー天秤でした。そのため職業用ミシンでも唯一無二の存在です。
TL-72はライトベージュやグレーを基調としていてますので、ブラザーのTA2に似ています。
82はボディがシルバー、プーリーと左サイドのみ黒になっていて、工業用ミシンがメイン事業のJUKIらしい印象のミシンです。

今はなきリッカーも鋳物職業用がありました。TA1はシンガー103と同じ形ですが、RT-5やRT-6は形が変わっていてユニークです。敢えて言うなら、JUKIのTR-7とジャノメ763の中間といった具合です。シルバーのボディは少しえぐれたような形で、左サイドは鉄仮面のようにも見えます。

トヨタ三菱などにも鋳物の職業用ミシンはあったようですが、これもシンガーの103や188と似た形。さしづめ、シンガー103クローン、188クローンと言ったところです。
家庭用直線鋳物ミシンが15種をもとにしたように、日本のメーカーは職業用でもシンガーを手本としていたのでしょう。

以上、鋳物職業用ミシンについて調べたことをざっとまとめてみました。

2015/07/05

足踏み職業用ミシン、スピードと厚地縫い

足踏み職業用ミシンっていったいどれくらいスピードがでるのか?

家庭用足踏みミシンよりも車輪が大きいため早く縫えるという話でしたが、一説には目いっぱい踏んでも最速で600針~800針程度だとか。
使った感じではもう少し早く動いているような気もしますが、今の家庭用ミシンが1分間に700~900針なので、大体それと同じくらいでしょうか。
今の電子式職業用ミシンは1500~1600針だという事を考えると遠く及びません。

厚地縫いに関しては、鋳物職業用は結構なものが縫えると聞いたので、厚い生地や革を重ねて縫ってみましたが、現行電子式職業用に比べて厚地性能が優れているということはないような気がしました。

足踏みミシンの場合、ベルトが緩んでくるとスリップしやすくなりますので、適度な張り具合を維持しておくことも厚地を縫うためには重要です。
実際、ベルトが緩いときに厚地を縫ったらスリップしてしまいました。その後、ベルトを張り直して同じものを縫ってみると、問題なく縫うことができました。

また厚地になると足踏みの運転も重くなります。針の貫通に力がいるからでしょう。手廻しして勢いをつけて足踏みをしないと貫通しない事もありました。上手く縫うためにはちょっとした工夫が必要になります。

現行の電子式職業用ミシンは低速でもパワー・トルクがでるようになっていますし、スピードも出ます。針の停止位置も指定できたりもしますから、使いやすさでは足踏みより確実に優っています。

足踏みミシンは、そういうのとはまた別のところ、電力を使わないことや金属部品で構成され耐久性があることなどに良さがあるのだと思います。人力の機械という安心感は足踏みでしか得られないものです。


※あくまで個人の使用感による話です。機種や整備状況によっても感覚は異なるでしょう。現行職業用より昔の鋳物足踏み職業用の方が厚地に強いと仰る方もいるのは事実です。



2015/07/03

職業用足踏みミシン188U2 の下糸巻、上糸かけ

シンガー188U2ではじめて下糸巻をしてみることにしました。

下糸巻が右下にあることはわかっていたのですが、最初はどのようにセッティングするのか、糸の通し方やボビンの入れ方などもわかりませんでした。軸の右側にボビンを入れようとしてみたり、どこに糸を通すのかわからず違うところに入れてみたり。どうもうまくいきません。

家庭用足踏みの場合
シンガーのWEBページで188Uの説明書をダウンロードできたのですが、188でも最後の型188UProfesionalのものだったので、下糸巻が今のものと同じトップカバー右にあるものです。これは参考になりません。

足踏みミシンでも家庭用ミシンの場合はプーリー付近に下糸巻軸があることが多く、その軸をプーリーに当てれば問題なく下糸が巻けます。

これは上面右側にある今の下糸巻とも位置や方法がそれほど変わりないので、問題ないのですが、この188U2や昔の足踏み職業用ミシンはベルトに下糸巻き機構をあてて巻きます。

188U2下糸巻
そこでまた調べて、実際にやってみたらうまく巻けるようになりました。

他にも書かれているページがありますが、足踏み職業用を手に入れたものの、巻き方がわからない人のために書いておくことにします。

まず糸立てはこちら、縫製時はこの左側にある糸立てを使いますが、下糸巻時は右の糸立てです。

次にこのフックの下側から糸を通し、テンションディスクの間にしっかりと入れます。
下までしっかり入れないと外れる事もあるので注意。

そのまま下に下ろし、ボビンの左の穴に糸を通して下糸巻軸に入れて、ボビンの右の穴を下糸巻の突起部分にはめ込みます。

そしてレバーを倒しボビンの間に入れます。この時に右のディスクのくぼみがベルトに当たるようにします。

最後まで下糸が巻けたら自動で止まります。
足踏みを踏みながら電動ではなく、自分の力で動かして下糸を巻くなんてしたことがなかったので最初はとても新鮮でした。

なお、上糸通しも188U Professionalや他のTA型とほぼ同じなのですが、やや形状が違う部分もありるので、一応載せておきます。針穴は左から右に糸を通します。


2015/07/02

足踏みミシン、下軸部分への注油

ベルトを取り付けた後、足踏みが重かったので、足の駆動部分に注油をして、動きが軽くなってきたというのが前回の投稿。
ミシン本体に関していうと、上軸への注油は十分したのですが、下軸の駆動部分への注油をまだしていない事に気付きました。そこでさっと注油しようとしたのですが、今までの電動ミシンと違い、ベルトがかかっているので、ミシンの下軸を見ようとして台から上げようとしたら、ベルトがあるので、引っかかってしまうのです。

何しろ初めての足踏みミシン。どうやるのか最初はわからなかったのです。

ベルトを掛ける前に下軸部分に注油をしておけばよかったと思ったのですが、そうは言っても一度ベルトを付けた後は注油が出来ないというのはおかしいと思い、ネットでこの部分の注油について書かれているものや写真がないか探してみたのですが、なかなか見つかりません。

ただし、足踏みを長期間使わない時はベルトを外しておいた方がいいとどこかに書いてあったなと思い出し、一度かけたベルトも外すこともあるのだと考え外してみました。

今思うとベルトは簡単に外せるので、それが当たり前におもえますが、初めてだとわからないものです。
やり方があっているかはわかりませんが、プーリー部分にかかったベルトから外し、車輪からも取り外しができました。(もしかしたら逆、車輪から外した方がいいのかもしれませんが、いずれにしても外れます。)



そして、台からミシン本体を上に倒して、注油しました。
そうしたら、油が全体的にまわったからか、さらに勢いよく回るようになってきました。


2015/07/01

職業用足踏みミシンの整備、調整。そして運転練習。

前回は足踏みミシンのベルトの取り付けについて書きました。
私の足踏みミシン188U2も新品の革ベルトを無事装着することができたので、実際に足踏みで動かしてみました。
そしたら、針がペダルの動きに合わせて動き出しました。

ただ、何となく 重い。
動かしていると足が疲れてきました。

ミシン本体には既に注油をしていて、プーリーを回すと軽く回転したので、これは足の駆動部分の油が切れているなと思い、注油することにしました。
どこに注すかは、勘です。

金属の駆動部分、ペダルの左右、車輪の軸なんかが固まらないようにさしました。
これで合っているのかどうかはわからないので、注しすぎないようにしました。

注油して暫くすると、だんだんと動きが軽くなって、ペダルの踏み込みも楽になってきました。
またまたミシンへの注油の大切さを実感したのでした。


後は、ミシンに慣れて、自分に馴染んでくるようにするだけです。
直線だけで、電力も使わないので、いかにこの機械と自分の相性を良くしていくか。どれだけ愛着を持って大事にするかにかかっているのでしょう。

電動やコンピューターミシンになれていると、最初は操作に戸惑うことや、針の動きを思い通りに止められなかったりしますが、だんだんと慣れてきます。

自分の足の動きのとおりにミシンが動くので、うまくいくのも、失敗するのも自分次第。
使えば使うほどうまくなっていくような気がします。

また注油や清掃もこまめにして、大切にすればするほど、自分の動きに馴染んで、さらに思い通りに動いてくれる相棒になるような気がします。

※足踏み職業用ミシンは車輪が大きいので、家庭用よりも踏み込みに力がいるそうです。物理的に考えたら当然のことですよね。自転車も大きな車輪のものは力がいりますから。