2015/07/07

鋳物職業用ミシンの世界

現在では白を基調としたアルミダイカストボディが主流の職業用ミシンですが、かつて職業用ミシンはどのメーカーも鋳物製でした。
代表的なのはシンガーの103と188シリーズですが日本のメーカーも各社しのぎを削っていました。

ジャノメ761はどこからどう見てもシンガー188をベースにした黒いスクエアな筐体です。
見た目も美しくジャノメのロゴもバランスよく配置され、とても魅力的なミシンです。性能も申し分ないでしょうし、形も好きですが、やはりオリジナル(Singerのもの)が欲しいと私は思ってしまします。
糸立てや下糸巻、足踏みのロゴの位置、テーブルの形まで全てにおいてシンガー188と同じです。
ジャノメはその後、ボディカラーをシルバーに変更し763、766など後継機を製造し、鋳物職業用を他のメーカーよりも長く作り続けました。2000年代初頭までは製造していたと思われます。そのため職業用(高速直線)ミシンを発売したのは、ブラザーやJUKIのかなり後です。

ブラザーはTA1,TA2という型番で鋳物職業用を作っていました。
TA1はシンガー103型に似ています。
TA2でスクエアな形になり、色が黒からベージュやライトブラウンのより明るめのものになります。
またブラザーにはTZ1の型番で販売されたジグザグする職業用ミシンがありました。(B651やB652など)

JUKIはTR-7、TL-72やTL-82が鋳物職業用です。
TR-7は当時のJUKIお決まりのロータリー天秤でした。そのため職業用ミシンでも唯一無二の存在です。
TL-72はライトベージュやグレーを基調としていてますので、ブラザーのTA2に似ています。
82はボディがシルバー、プーリーと左サイドのみ黒になっていて、工業用ミシンがメイン事業のJUKIらしい印象のミシンです。

今はなきリッカーも鋳物職業用がありました。TA1はシンガー103と同じ形ですが、RT-5やRT-6は形が変わっていてユニークです。敢えて言うなら、JUKIのTR-7とジャノメ763の中間といった具合です。シルバーのボディは少しえぐれたような形で、左サイドは鉄仮面のようにも見えます。

トヨタ三菱などにも鋳物の職業用ミシンはあったようですが、これもシンガーの103や188と似た形。さしづめ、シンガー103クローン、188クローンと言ったところです。
家庭用直線鋳物ミシンが15種をもとにしたように、日本のメーカーは職業用でもシンガーを手本としていたのでしょう。

以上、鋳物職業用ミシンについて調べたことをざっとまとめてみました。

0 件のコメント:

コメントを投稿