2016/08/07

Knit 4 家庭用ミシンでニット縫製のまとめ。 針や糸を揃えてよりきれいに。

前回は家庭用ミシンでニットを縫うに際して、通常持っている糸を使いながら、縫い模様を使って何とか縫うやり方について書きました。
今回はさらに進化させるために、ニット用の針や糸などを揃えて、家庭用ミシンでいかにうまくニット
を縫うかについて書いてみます。
最後に家庭用ミシンでニットを縫うことについて、書いてきたことのまとめを記載します。

ニット用の針
ニットを縫う時は、針は出来ればニット用のものを使用した方がいいでしょう。
オルガンでは、HA1×SP、 シュメッツでは、Jersy Ball Pointと呼ばれるものです。
オルガンのSPとシュメッツのニット針どちらも300~400円程度で購入できます。


それ程高いものではないので、ニットを縫う人は購入しておく方が安心です。
針の付け替えが面倒に感じる時もありますが、普通の針よりも先が丸くなっていて、生地を傷つけないという特徴をもっていますので、ニットを縫う時はニット用針に交換します。
目に見えて明らかに違うかというと、はっきりとはわかりませんが、万が一縫い直しになった時などは普通の針で縫うより生地の傷や穴があまり目立たないというのはあると思います。


レジロン糸

一般的にニットで直線を縫う場合、家庭用ミシンでも職業用ミシンでも、伸縮するレジロン糸を使うと良いと書かれていることがあります。
私も以前はニットを縫う事があまりなかったので、存在を知ってはいたものの使う事はなかったのですが、実際にニットソーイングをするようになり、レジロンで縫わなければいけないのかなと思い、以前購入した中古ミシンにたまたまついていたレジロンの糸を使う事にしたのです。

まず比較のために、ニット生地をスパン糸で糸調子をゆるめて直線縫いしてみましたが、まったく伸びず、縫い目が固くなってしまいました。

次に同じ生地を★上下糸ともにレジロン糸使用★で改めて縫ってみました。

綺麗には縫えるのですが、やはり一定以上の伸縮にはついていかず、伸ばしすぎると、プチッときれます。これは他の方もよく書かれていますが、実際そうでした。

そこで、次にどこかで見かけたことのある、ウーリー糸を使うという縫い方を試してみることに。

ウーリーという糸はウーリーロックミシン糸 と書かれて販売されています。いくつかのメーカーのものがあるようですが、一番有名なフジックスのものを買う事にしました。
小さな手芸店には置いていなかったりしますし、中規模以上の手芸店でも、端っこのかなりわかりにくいところに白と黒だけ置いていたりして、探す気で見ないとなかなか目に入ってきません。

よく言われるのは、ウーリーは下糸(ボビン糸)のみ使うという事です。

実際縫ってみた結果、ウーリー糸は思いのほか伸びます。

前回は縫い模様を駆使して何とかすると言うやり方を書きましたが、家庭用ミシンでニットを縫う場合、ニット用の糸を購入し、上糸レジロン・下糸ウーリーで縫うのがお勧めです。

レジロンが伸びるのは少しだけですが、ウーリーは糸の風合いが違うので、伸縮率が違います。
伸ばさなければ、ウール状というかふわっとした風合いなのですが、のばすと普通の糸と変わらない見た目になるのがいいです。
通常のふわっとした状態
糸を伸ばした状態

レオタード制作など、かなり伸縮する生地を縫うのであればロックミシンにウーリーを使うのもいいのでしょうが、私はそういうものを縫っていないので、ロックミシンでもウーリーを使った事がないです。そもそもロックミシンは縫い目自体が伸縮するので、スパン糸でもたいていの場合は問題ありません。
よって、ウーリー糸は家庭用や職業用など本縫いミシンでニットを縫う時に使った方が威力を発揮する気がします

最初は半信半疑であまり興味のなかったウーリー糸ですが、本当に買ってよかったです。
長さも結構あるので、1本の値段は他の糸より高いですが、少なくともレジロンよりもコストパフォーマンスが高いです。

ニットの場合は基本的に糸調子はゆるめがいいですが、上糸レジロン下糸ウーリーにする場合も、上糸を少しだけゆるめの糸調子にする方が良いようです。

また、ウーリーは伸ばさないとふわっとした状態のため、下糸のみに使用し、表側から縫う必要があります


テフロン押え
ニットを縫う際にテフロン押え(スムース押え)を使うと良いという意見があります。私はその効果を実感したわけではありませんが、送りをよくする効果があると言われています。使用するミシン(送り力があまり高くないor押え圧調節がないなど)によっては有効かもしれませんね。

伸び止めテープ
これも肩線などの部分に貼るように指示がありますが、これを貼ることにより縫いやすくなりますし、着用や洗濯を重ねても伸びにくいです。



家庭用ミシンだけで、ニット縫製をする場合のおすすめのセッティングをここにまとめてみます。


1.押え圧調節を緩めにする。(調節可能であれば)
2.直線用針板を使う(可能であれば) なければ左基線などにする。
3.糸調節はややゆるめにする。普通は上糸だけ緩くするだけでよい。
4.針はニット用のものを使う。
5.糸はレジロンとウーリーを購入し、上糸レジロン、下糸ウーリーで縫う。

その他、
・端の処理は縫ってから余分な布を切る、
・出来る限り押えやテープなどニット縫製に有効なものを購入する。
といったところでしょうか。

家庭用ミシンだけで何とかニットソーイングをしたい、今までなかなかうまくニットが縫えなかった、と言う人は上記を参考にしてください。

2 件のコメント:

  1. ありがとうございました。
    伸縮がなく生地を引っ張るときれてしまいます。
    糸でウーリーとレジロンを使って縫ってみます
    洋裁が苦手でこんな時期だからTRYしてます。
    わかりやすくて助かりました。

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  2. コメントに気づかず、返信が遅れてすみません。
    お役に立てたようで何よりです。糸をニット用にすれば、家庭用ミシンでうまくニットは縫えると思います。
    あれこれとミシンを買うよりも、使い慣れた一つのミシンで何でもできる方が私も好きです。工場や既製品ではこうはいきませんから、ボタンホールを始め家庭用ミシン1台であらゆることが出来るのがホームソーイングの醍醐味ですね。

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