2015/08/17

ミシン糸あれこれ

ミシン糸と一言にいっても、日本にも海外にもメーカーや種類が色々とあります。
私も糸についてはそれ程詳しくはないのですが、調べた事を後々の備忘録もかねて書いてみます。

素材
昔のミシンを買うとよくカタン糸やコットン100%の糸がついています。
これらには普通のコットン地のようなものもありますが、艶のある糸もあります。
こういうものを今買う事はあまりありません。売っているのは見かけるので、手縫いや昔のミシンで使う人がいるのでしょう。

カタン糸ってなんでこんな呼び方をするのかと思っていたら、カタンとはコットンがなまったものらしいですね。

今のミシンはポリエステル系の糸で調整されているので、コットン系の糸を使うと糸調子が合わなじかったり、糸切れすることもあるようです。プラスチック満載の今のミシンでは負担がかかりすぎるとも言われます。

現在主流の化繊、ポリエステルの糸は、どんな素材にもなじみやすく、すべりもよいのでミシンでも縫いやすいのが特徴で、綿糸の風合いも持たせているようです。ポリエステル系の糸の中でもスパン糸が最も売れているものです。
その中でも、日本で一番メジャーなものがフジックスのシャッペスパンでしょうか。

ニット地にはナイロン系のウーリーやレジロン、などの伸縮性のある糸が向いているとか。
ウーリーにはナイロン以外にポリエステル100%のものもあるようで、主にロックミシンで使用されます。
レジロンはシャッペスパンと同じフジックスの糸の名前です。旭化成のレオナ66というのも同じようなものです。
上糸をレジロン(orスパン)、下糸をウーリーにして縫うとより良いようです。

ロックミシン用 90番

太さ、番手

糸の太さを表す番手は、針とは逆に、数字が大きくなればなるほど細い糸です。

最も一般的なのが60番手で今の家庭用ミシンの自動糸調子も60番手を基準にして設定されているようです。

ロックミシンは90番で縫う事が多いです。ロック用として一番多く売られているのは1000mから2000mくらいの太いコーンに巻かれた糸です。
一般的な家庭用ミシンでは30番手までが対応糸のようです。




ジーンズの裾などステッチを目立たせるものは20番で縫う事が多いようです。


8番であれば職業用なら何とかいけるかもしれませんが、通常は20番くらいまででしょう。
8番、5番以上になると釜の調整などが必要になるようで、太糸・厚地専用の工業用ミシンか改造ミシンの範疇です。

60番、3000m糸巻


ちなみに靴づくりの時はポストミシンに30番のテトロン糸をかけて縫っていました。テトロンは絹ミシン糸をも意識して開発された光沢のある糸です。

長さ当たりの金額を考えると工業用の2000~3000m巻のものなどが一番安いということになりそうですが、家庭用で気軽に使うには普通の150~200m巻くらいのものが普通です。

私はあまり糸にはお金をかけたくないので、出来る限り安ければいいと思っています。3000m巻のものも買いますが、これらはベーシックな生成り、黒などを買っています。


それ以外の色が必要になると、100円ショップ・ダイソーの日本製のものを買います。
中国製は毛羽立ちが多く、質も良くないようなので買いません。最初期に安いからと買ったもののミシンによっては、よく糸切れをおこしました。
また50m巻の細い糸巻が何色もセットになったものも中国製で、こちらも質はそれなりです。ただし今の水平釜のミシンであればこういうものでも問題なく縫える事も多いでしょう。
100円ショップ セット糸
台湾製もありますが、一応の基準として100円ショップなどでも日本製のものを買うようにしています。ダイソーの日本製のものは、50番手なのですが、この糸でトラブルがあったこともありませんし、近くにダイソーがあるのでなくなったらすぐに買いに行くことが出来ます。近場に手芸店がないので、ついこのダイソーの日本製で済ませてしまいます。
ダイソー 50番 日本製ミシン糸 200m
ダイソー以外の100円ショップでも、150m巻でシャッペスパンと同じフジックスの日本製スパン糸があるので、それを買う事もあります。
フジックス 100円 ミシン糸
また以前から海外の糸も気になっていました。
海外のソーイングのビデオなどでよくGutermannと書かれた糸を見かけました。以前買った中古ミシンの中にこのギッターマンの糸が入っていました。ミシン自体が古いものなので糸巻にはW.Germanyと書かれています。西ドイツがまだあった頃のものです。


糸巻は日本ではシャッペスパンなどにあるような形が主流ですし、アメリカもCoats & Clark社など、日本と同じようなものが使われていますが、ヨーロッパではギッターマンの糸巻のようなものが多いようです。
この糸巻が何ともカッコいいなと思って、いくつか買おうかなと思いユザワヤに行ったのですが、その店舗には欲しい色が在庫切れでほとんどなかったので1色だけ買いました。サルキーという種類のポリエステル系の糸です。ギッターマンはドイツのメーカーのようですが、この糸はSwiss Madeと書かれていました。

その他の色は、別の手芸店にあったメトラー(スイスのメーカーのようです)のメトロシーンという糸を買いました。これもギッターマンと同じような糸巻でなかなかいいです。太い方は500m巻なのですが、それほど高くなかったです。

質はおそらく日本製シャッペスパンとあまり変わらないと思いますが、何となく形とデザインがいいので買ってしまいました。結構気に入っています。

ただし、メトラーの糸もGerman Madeと書かれた白い糸巻で売っていましたが、在庫がなくなり次第、赤の糸巻に切り替わるそうです。別の手芸店ではメトラー・メトロシーンの糸は全て赤に切り替わっていました。糸巻の色が変わるだけならいいのですが、赤いものはGerman Engineered, Made in Chinaとなっていました。要は中国製になったということです。
品質に差がないのかもしれませんが、中国製であれば何もこれを買う意味もなく、日本製のシャッペスパンや、ひいては日本製の100円ショップのものがいいのかと思ってしまいますね。糸巻の赤の色も何となくぼんやりしたような感じでした。

普通のソーイング好きの人はシャッペスパンなど日本メーカーのスパン糸を買う事が多いですし、これを買えば無難であることは間違いありません。一般的な家庭での使用では一部の質の良くない中国製糸などを除いて、それほど気にしないでも快適にソーイングは出来ると思います。

以前買ったミシンについていた糸でタイ製のものがありました。手芸店でも安売りの特価品ということで最近タイ製の糸を見かけます。色んなものの生産が、先進各国から中国へ、その後東南アジアへとシフトしていっているのでしょう。

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