2016/08/27

Knit12 2本針カバーステッチミシン トルネィオ795Uの使用感

今回はトルネィオ795の機能特徴と使用感について書いてみたいと思います。

糸通しは意外に簡単。

ロックミシンほど糸通しは難しくありません。これくらいの手間であれば自動糸通しは要らないと思います。
同じジャノメのロックミシンは、ピンセットがないと下ルーパーの糸通しが非常に難しいのですが、これはピンセットなしで通すこともできます。
2本の針糸の糸通しもロックミシンよりは針周りのスペースがあるので、それ程手間がかからずに通せます。


●糸処理は少し手間がかかるが、慣れれば難しくない。

ベビーロックのふらっとろっくはロックミシンと同じような空環(からかん)ができるようですが、トルネィオではできないので、縫いはじめと縫い終わりの糸処理がほかのミシンと違った形になります。

縫い初めの準備として、説明書には捨て布を用意し、2,3針手廻しで縫って、下糸を上げると書いてあるが、これも慣れればすぐできます。捨て布も糸を引き上げた後、するすると糸が抜けるので、糸引上げ用として繰り返し使う事もできます。

縫い終わりの糸処理は 押えを上げて、針糸2本を針穴の手前で引っ張り、押えの下にピンセットなどを入れて押えの下から手前に引き出し、2本の糸を切る。その後布を後ろに引っ張れば、針糸2本が布裏に引き出され、3本の糸を手で結ぶだけです。

袖口や裾を縫う時、縫い初めの数針に重ねて最後縫いますが、縫い初めの3本の糸が結べないのが気になるので、縫い重ねる直前、縫っている途中で縫い初めの針糸2本を裏に引き出して結んでから、縫い重ねるようにしています。



表側から縫うので、際をきれいに縫うのは難しい。

慎重に丁寧にやらないと最初から綺麗にに縫うのは難しいです。ある程度自分なりのやりやすい方法を見つければだんだんと慣れてくる気がします。
アイロンで整えて縫い線を書いてから縫う、もしくは、表から綺麗にまっすぐ縫うのを助けるガイド押え(メーカーにより形状・名称は違う)を使うことでより縫いやすくなります。
または、余分に布を切っておいて、縫った後で余った布をはさみで切るようにすれば、縫い目が際から外れてしまうことはありません。


●3本針カバーステッチにはならないが。

795Uは2本針なので、3本針カバーステッチはできません。殆ど使う事のない機能ですが、どうしても3本針にしたい時は、2本カバーステッチをした後、2本の真ん中にチェーンステッチをする、orチェーンステッチをした後、その縫い目をセンターガイド線に見立てて、はさむように2本針カバーステッチをすれば、表からは3本になります。裏もそれ程違いがないように見え、縫い目の強化にもなるのではと思います。
(ただし、これは自分の単なる思い付きなので、おすすめするものではありません。)



2016/08/25

Knit 11 やっと手にしたカバーステッチミシン 購入ミシンNo.46 ジャノメ トルネィオ 795U

以前からあればいいなと思っていたものの、ニットソーイングの裾処理のためだけに、なかなか数万円を出すことができないと思っていたカバーステッチミシン。運よく安価で中古を手に入れることができました。

購入したのは2本針のベーシックなジャノメ795Uです。欲を言えば3本針の機種が欲しかったところですが、自分の使用目的を考えた場合ほとんど2本針でしか使わないので、これで十分事足ります。

実際に手にしてみて感じたのはボディが思っていたより大きいという事です。


ふらっとろっくは実際に見たことがあったので、それと同じくらいのものを想像していたのですが、トルネィオはふらっとろっくよりもかなり大きいです。
ふらっとろっくはロックミシンとほぼ同じ大きさですが、トルネィオは家庭用ミシンとそれ程変わらない大きさです。全体的な印象として普通の水平釜家庭用ミシンと似た感じです。


トルネィオはふらっとろっくと違う大きな点としては

ふところに空間があること。

フリーアームになること

が上げられます。

はっきり言って、フリーアームはあまり使いません。なくても袖口は縫えます。
ただし、懐の空間は裾や袖口以外で飾り縫いなどしたい場合はあった方が便利なので、この点はふらっとろっくよりも優れていると言えるでしょう。

パワーはふらっとロックの方があると思いますし、ボディもコンパクトになっていて、ふらっとろっくの方が良いと思う向きもあります。
といっても差異は大きなものではないので、それぞれの好みで決めても問題ないのではないかと思います。

私が購入した795Uは2本針で、針の間隔は5㎜、一方3本針にもなる796系統は2本針にした場合、6㎜か3㎜です。

詳細な使用感はまた次回に。



2016/08/22

Knit 10 カバーステッチミシン選び。

ニットソーイングをするにあたって、家庭用ミシンだけで縫うやり方からはじめて、ロックミシンを使う場合について前回まで書いてきました。
今回からはカバーステッチミシンについて書いていきたいと思います。

カバーステッチミシンは使う用途が限られるので、ほかのミシンに比べて持っている人が少ないものです。
ソーイング教室でもカバーステッチミシンがないところもあるようですし、ニットをあまり縫わないと言う人は何万円もかけて買う程ではないでしょう。

家庭用のカバーステッチ機が登場したのも2000年前後とまだ歴史も浅いものですし、家庭用やロックミシンにくらべれば、販売機種数も格段に少ないです。

私も欲しいなーとは思いながらも、あまりニットを縫わないし、どうしたものかと思っていましたが、たまたま安く中古が手に入ったので2本針のベーシックなものを手に入れる事ができました。
今回は、購入する前にカバーステッチ機についていろいろ調べたことをまとめてみます。


カバーステッチ専用機

ジューキbaby lockのふらっとろっくとジャノメのトルネィオが有名です。日本では殆どの人がこの2社のいずれかの機種を使っているものと思われます。
ふらっとろっく は3本針のBL72Sのほか、 2本針 BL71、ニットソーイングクラブとのコラボレーションPetit Line・BL700などがあります。
トルネィオは2本針の795U、3本針は796U、HS700などがあり、直営店モデルとしてEsprit796というのもあります。最新のものは796Gです。(2016年8月現在)

ブラザーにもCV100というカバーステッチ機がありますが、上記2社のものほど使っている人は多くないようです。

JUKIには、チェーンステッチ機能がない、2本針のカバーステッチ専用のJUKI MCS-900という機種がありました。現在は3本針でチェーンステッチもできるMCS-1500という機種が販売されています。

性能やパワーなどはふらっとろっくの評判がいいようですが、ふところ幅があるところなど使い勝手の点でトルネィオを推す人もいます。
日本製のためかふらっとろっくが高額なので、リーズナブルなトルネィオで十分と考え、トルネィオを買う人も多いようです。
外観デザインを考慮すると、ブラザーやJUKIのものもいいような気がしますが、まだこの2社のものはカバーステッチミシンではメジャーではないように感じます。


複合機(カバーステッチやチェーンステッチ機能がついたロックミシン)
ベビーロック縫工房、(BL77WJ BL76W)、JUKI345DCなどが主な機種です。ジャノメにはかつて270Bという複合機があり、現行では1200Dが販売されています。
現行複合機はほとんどが3本針5本糸対応で、カバーステッチも3本針が出来、カバーステッチミシンにはできないインターロックという縫い方ができます。
インターロックなどあまり使わない機能でしょうが色々な縫い方が1台の機械できることが特徴です。ジャノメ1200Dには上飾りカバーステッチという機能もあります。

海外ではカバーステッチ専用機よりも、3本針5本糸の複合機が結構販売されています。ベルニナやハスクバーナ、シンガーなどが複合機を販売しているため、複合機の選択肢が豊富です。

複合機・縫工房を、DCモーターにしてパワーを増強、懐も大きくして、ニーリフターまでつけて進化させたのが、ベビーロック縫希星です。海外でOvationという名前で先行発売され、日本で最上位機種として販売されるようになりました。糸も最大8本まで設置でき、縫い方のバリエーションも多く、他の複合機よりも一段上といえるでしょう。
機能・性能ともにとても魅力的な機種ですが、いかんせん高額なのがネックです。

カバーステッチのステッチ(針)の間隔は、縫工房や縫希星は6㎜か3㎜、JUKI345やジャノメ1200Dは5㎜か2.5㎜となっています。


複合機かカバーステッチ専用機か
レビューや経験談などを見てみると、複合機よりもカバーステッチ専用機を推す人がほとんどです。

縫工房を使ったが使いにくかったという意見をよく見かけましたし、あまり奨めないと書かれていることが多かったのです。ロックからカバーへ変更する際や、それをロックに戻す時の糸のかけ替えや、セッティングがとにかく面倒だということでした。

複合機を買ったものの、カバーステッチやチェーンステッチなどは殆ど使った事がないと言う人も少なからずいるようでした。

縫工房やジャノメ1200Dはロックとカバーの専用機を別々に買っても殆ど変わらないくらい高額なので、別々に買ったほうがいいというアドバイスをする人も多いようです。

選択肢も少なく、糸のかけかえやセッティング変更なども手間がかかり、価格も手ごろではない複合機を買うよりは、置く場所があれば、ロック、カバーそれぞれ専用機を買うほうがいいと私も思います。
置く場所もないので一つにまとまった複合機が欲しい場合、日本では最も手ごろな価格のJUKI345がいいのではないでしょうか。
この機種はロックミシンとそれほど価格も変わらないので、購入後ほとんどカバーステッチ機能を使わなかったとしてもそれほど無駄な出費だったとは感じないでしょう。
カバーステッチ専用機を改めて買い足すとしても、ロック専用として十分使っていけます。

ウェーブロック機能や自動糸通しが欲しい場合は、複合機では縫工房か縫希星になりますが、この機能が本当に自分に必要か考えたほうがいいかもしれません。

2016/08/18

Knit 9 カバーステッチがない場合のニットの裾処理 Part 2 家庭用ミシン2本針使用

カバーステッチミシンがない場合のニットの裾処理について、前回屏風だたみ縫いや伸縮糸使用による直線縫いについて書きました。
今回はもう一つのお勧めの方法を紹介したいと思います。

それは、家庭用ミシンの2本針を使用することです。


私もカバーステッチを購入する前は、何とか伸縮に耐えられる、2本の綺麗な平行ステッチができないものかと考えていました。
とりあえず伸縮に耐える直線縫いをしたい場合はレジロン・ウーリーの糸を使って直線縫いをすることをお勧めしますが、カバーステッチと同様の2本の平行な直線にしたい場合はこの方法がいいかもしれません。
結構伸びるニット生地を2本針で縫ってみたのですが、伸ばしてみても切れません。
スパン糸で縫っても伸びます。


一般的に日本ではこのやり方が推奨されていることはあまりありません。
ただし、海外のソーイング関連のページや、動画などでは、ニットソーイングに2本針(Twin Needle)を使えばいいと紹介しているのをたびたび見かけます。
日本で2本針を使ったニット縫製を奨めているのをあまり見かけないのは、一つには手芸店などで2本針が販売されておらず、日本における針のメインメーカーであるオルガンが、2本針をあまり大々的に売り出していないからだとも思われます。
ジャノメやブラザーなども純正2本針があるようですが、2㎜幅など狭い幅などのものが多く、4㎜や6㎜のカバーステッチの代わりになるような幅のものがあまりない事にも起因するのだと思います。

私も2本針はシュメッツのものを使っていますが、これもネットで購入しました。一度買って丁寧に扱えば、そんなに長い距離を縫うものではないので、結構持つと思います。

シュメッツも2本針は2㎜、2.5㎜、3㎜、4㎜、6㎜などがあるようですが、ニットの裾縫いには4㎜が一番お勧めです。4㎜は80/12号と、90/14号の2サイズがあります。2㎜、2.5㎜は12号、3㎜は14号、6㎜は16号のサイズしかありません。

カバーステッチのかわりにするには6㎜サイズもいいのですが、6㎜は16号しかありませんし、またジグザグのふり幅が5㎜という家庭用ミシンでは6㎜幅の2本針は使えません。
最近のミシンは7㎜以上のふり幅のものも結構ありますので、そういうミシンをお持ちであれば見た目を考えて6㎜のものを使うのもいいでしょうが、あまりふり幅が広いミシンは針板の穴が大きいので、ニット生地が食い込みやすくなるという難点もあります。4㎜のものが針のサイズも2種類あり、一番使いやすいのではないかと思います。

カバーステッチと同じく表側から縫う必要があり、縫うのが難しく感じるかもしれませんが、長めにカットしておいて、縫った後に裾や袖の余分な布を切る方法であれば、問題なく縫えるでしょう。

★2本針でニットをきれいに縫うには★
2本針はニット生地が針板に食い込みそうになったり、生地が伸びそうになるデメリットはあります。
さらに、2本の針の間が盛り上がったようになるという特性もあります。(生地の盛り上がりはカバーステッチでも多少は発生します。)

これらを回避するには、押え圧を緩めにして、上糸調子もやや緩めにして、手で生地の送りを助けてゆっくり縫うようにするといいでしょう。

送り幅をやや長め、3~3.5㎜くらいにした方がきれいに縫えます。

また、紙を下に敷いたら、布帛と同じように早く縫って行っても綺麗な直線で簡単に縫えます。直線も乱れなくビシッと揃いますし、2本の間の生地の盛り上がりも出来ません。
ただし、縫った後に紙を剥がしづらいのがデメリットです。2本の縫い目の間に紙が残るので、ピンセットなどで残った紙屑を取り除いていかなければならず結構手間になります。

簡単に縫えることを優先し紙をはがす手間を引き受けるか、紙を敷かないで、多少縫いにくくてもゆっくり手を添えながら曲がらないように縫うかが、悩みどころです。

なお、糸はレジロンで縫うとうまく縫えませんでした。
2本針を使うときは普通のスパン糸がいいです。

何枚縫うかわからないニット。さらに袖口や裾処理など特定の用途にしか使えないカバーステッチミシンに何万円もかけるのはなかなかできないものです。
今回紹介した家庭用2本針を使うか、レジロン・ウーリー糸で直線縫いするかで、カバーステッチミシンがなくてもそれなりの仕上がりにできると思うので、ニットの裾処理で困ったときは試してみてください。




2016/08/16

Knit 8 カバーステッチがない場合のニットの裾処理  Part1 屏風だたみ縫いと伸縮糸での直線縫い

カバーステッチミシンをもっていればいいのですが、そうでなければニットの裾や袖を縫う際にどうするか、迷うものではないでしょうか。

ニットをメインに縫う訳でもないし、用途の限られるカバーステッチの購入を躊躇する人は多いでしょう。カバーステッチは安価なものでも4~5万。通常は6~9万円くらいします。

そこでその代りとして
1.ロックミシンで屏風だたみ
2.家庭用ミシンのニット縫い(雷のようだと言われる小さなジグザグ縫い)orジグザグ
3.ニット用糸を使い直線縫い(レジロンもしくは上糸レジロン下糸ウーリー)
なんかが考えられる縫製方法です。

1.屏風だたみ縫いですが、ロックミシンだけでカットソーを仕上げられるというメリットがあります。そのためロックミシンのニットソーイング本でもこのやり方で説明していることも多いです。
生地の伸縮にも対応していますので、着用上の不都合はありません。

------実際にぬってみた感想------------------
 屏風だたみ縫いのために作られている”裾引き押え”は持っていませんし、購入したいとまでは思わないので、通常の押えで左針が折り目の際になるように縫ってみたところ、ゆっくり丁寧に縫い進めていけば、それなりに綺麗に縫うことが出来ました。
この縫い方をした場合、表から見た時に生地が縫い目のところで折れた感じに見えないように、縫製後しっかりとアイロンで押えて整える事が重要です。


2.家庭用ミシンの伸縮縫いorジグザグ縫いは、家庭用ミシンでニット縫製をする場合に使う人もいますから、ニットの裾処理でも使えなくはないです。ただし、見た目があまりきれいではないので、ロックミシンでニットソーイングをするような人はあまり使わないのではないでしょうか。

そして3.ニット用の伸縮する糸(ウーリーとレジロン)を使って直線縫いをすることについて少し前の投稿で書きましたが、これは生地の伸びにもついてくるので、カバーステッチミシンがない場合にはお勧めの方法です。
ロックミシンを持っている人は職業用ミシンを持っている人も多いと思うので、そんな方は職業用ミシンor家庭用直線専用ミシンで、押え圧、上糸を緩くして、ニット用針を使い、上糸レジロン・下糸ウーリーで縫ってみてください。
ロックで針処理をした後、カバーステッチのようにするには2本直線をかければそれらしく見えます。

私はどちらかといえば、屏風だたみ縫いより、ウーリー・レジロンで縫う方が好きです。
それは見た目の問題と縫製のやりやすさです。
ただし、裾処理のためにわざわざ家庭用・職業用ミシンの糸や針、セッティングを変えてまで縫うのが面倒だと言う人は、屏風だたみでも十分ではないでしょうか。
そんなに人は縫い目なんてみていませんから、アイロンで綺麗に整えれば快適に着用できるはずです。

カバーステッチミシンがない場合の裾・袖口処理でもう一つ私のおすすめの方法がありますが、それは次回紹介します。